年末大掃除のコツ
年末といえば、大掃除の季節。
年末大掃除を行う目的や効率よく掃除していくためのポイント、道具についてご紹介します。
コツを抑えて計画的に行えば、今年は効率よく大掃除を済ませられるはずです。
日本の月暦では、12月は“師匠も走る忙しい季節”だから“師走(しわす)”などと言われたりもします。
忙しい時期にやってくる年末の大掃除。掃除しやすいとはいえない寒い季節に行う理由などのうんちくもご紹介します。
年末大掃除のおすすめスケジュールと掃除の順番
新年を気持ち良く迎えるためにも、年末大掃除は手抜きなく終わらせたいものです。しかし、家事や育児、仕事などで忙しいと、掃除にかけられる時間に限りがあります。
「今年こそは年末大掃除を完璧に終わらせたい!」と強い目標を持っている方は、これからご紹介する年末大掃除の計画や順番をぜひ参考にしてください。
効率が良い大掃除の計画と順番
年末大掃除の計画を立てるときは、まず「大掃除にかけられる日数」を明確にしましょう。
1週間かけて掃除を行うのと、3日間で終わらせるのでは掃除の内容や順番、1箇所にかけられる時間も大幅に変わります。
たとえば、早めにスタートし何日もかけて掃除をする場合、「掃除の順番」「後回しにする場所の把握」「モチベーションの維持」が成功につながるポイントです。
反対に、短期間で素早く掃除を終えたい場合は、「ゴミ出しのスケジュール」「必要な道具の準備」「同時進行できる掃除場所の把握」が欠かせません。
大掃除にかけられる日数にかかわらず、「普段掃除できない場所を掃除する」「“上から下に、奥から手前に”のルールを徹底する」「家族でイベント化する」の3つを重視すると、大掃除を計画通り成功させやすく、達成感も得やすいでしょう。
ポイント
大掃除にかけられる日数が長い場合のコツ
- 掃除の順番
- 後回しにする場所の把握
- モチベーションの維持
大掃除にかけられる日数が短い場合のコツ
- ゴミ出しのスケジュール
- 必要な道具の準備
- 同時進行できる掃除場所の把握
日数に関係なく重視したいコツ
- 普段掃除できない場所を掃除する
- “上から下に、奥から手前に”のルールを徹底する
- 家族でイベント化する
大掃除すべき場所とスケジュール例
次は、実際に掃除する場所や時間を考慮して、スケジュールを作ってチェックリストにしてみましょう。
下では、一般的な大掃除の掃除箇所と所要時間を確認できます。
掃除エリア | 所要時間 | 掃除箇所 | 所要時間 |
---|---|---|---|
1. キッチン | 60分 | 換気扇 | 30分 |
ガスコンロ | 20分 | ||
シンク周辺 | 10分 | ||
2.トイレ | 30分 | フチ裏 | 5分 |
手洗い器 | 5分 | ||
ウォシュレット | 10分 | ||
換気扇 | 10分 | ||
3. 浴室 | 30分 | ドアレール | 5分 |
排水口 | 5分 | ||
カビ取り | 10分 | ||
鏡 | 10分 | ||
4. 洗面所 | 15分 | 排水口 | 5分 |
鏡 | 10分 | ||
5. ベランダ | 30分 | 手すり | 10分 |
床 | 20分 | ||
6. 玄関 | 30分 | 玄関ドア | 10分 |
タイル | 20分 | ||
7. 窓掃除 | 60分 | サッシ | 20分 |
窓ガラス | 40分 | ||
8. 畳掃除 | 15分 | 畳磨き | - |
9. ホコリ落とし | 60分 | 各部屋+廊下 | 10分/1間取り |
10. 掃除機掛け | 60分 | 各部屋+廊下 | 10分/1間取り |
11. 拭き掃除 | 90分 | 各部屋+廊下 | 15分/1間取り |
合計(11項目) | 480分(8時間) | - | - |
※日々の掃除頻度や実際の汚れ具合、間取り等の条件により、掃除箇所や所要時間は変動します。
年末大掃除は、家中(11項目)を掃除すると8時間ほどの時間がかかるため、朝8:00に開始すると17:00ごろに終了する流れとなります(お昼休憩に1時間)。
上の表を参考に、自宅に合わせたスケジュール例を考えてみましょう。
家族で他の場所を同時に掃除したり、同じ場所で使う道具をひとまとめにセットしておくと大幅に時間を短縮することも可能です。
スケジュール(一例)
~開始~
8:00 ~ 8:30 ベランダ
8:30 ~ 9:30 ホコリ落とし
9:30 ~ 10:00 玄関
10:00 ~ 11:00 掃除機掛け
11:00 ~ 11:15 畳掃除
11:15 ~ 12:15 窓掃除
12:15 ~ 13:15 お昼休憩
13:15 ~ 14:15 キッチン
14:15 ~ 14:45 浴室
14:45 ~ 15:00 洗面所
15:00 ~ 15:30 トイレ
15:30 ~ 17:00 拭き掃除
~終了~
次は、大掃除で必須となるアイテムやあると便利な道具をご紹介します。
年末大掃除までにいるもの
年末大掃除で必要となるアイテムは事前に用意して、当日慌てて買いに行くなんてことがないようにしましょう。
ここでは、必ずいるものとあると便利なものをまとめました。
大掃除に必ずいるもの
・マスク、バンダナ
大掃除では普段の掃除以上にホコリや塵が舞い上がります。特に喘息がある方などは悪影響にならないようマスクやバンダナで口元を守りましょう。
午前と午後で取り換えられるよう、最低でも人数の倍の数用意しておくのが理想です。
(個数)人数×2
・エプロン
水回りの掃除では衣類に汚れがついてしまうことも。大掃除当日は汚れても良い服装が理想ですが、洋服を汚さないためにもエプロンを着用するのが理想です。
トイレやお風呂など濡れやすい場所の掃除を担当する人は、濡れてもすぐ着替えられるよう2枚準備しておく方が良いでしょう。きましょう。
用意するエプロンはポケットつきのエプロンだと、洗剤やブラシなどの道具を入れておけるため重宝します。
(個数)人数+α
・ゴム手袋
洗剤を使用する水回り、拭き掃除、窓掃除などで着用します。長時間の掃除で素肌を痛めてしまわないためにもゴム手袋は欠かせません。
また、汚れたものに触れるときや指に洗剤をつけて細かな掃除をしたいとき、ゴム手袋があると安心です。
(個数)人数分+α
・ハタキ
家中のホコリを落とすために使用します。万が一折れてしまったときのことを考慮して、予備を準備しておくと良いでしょう。
また、複数本あると1階と2階で同時進行するなどの工夫も可能です。
(個数)2本以上
・雑巾
雑巾は床や畳みの雑巾がけから窓拭き掃除、拭き掃除などあちこちで利用し、洗剤を使う雑巾、使わない雑巾を分けたり大掃除では多くの枚数が必要です。
1つの掃除箇所に必要な枚数を考えて、その合計+部屋数を準備しておくと安心です(2LDKの大掃除で合計枚数8枚なら、8枚+3枚の計11枚)。
用意する雑巾は新品ではなくても、着古したTシャツを切ったものや要らないタオルなどを代用しましょう。
(個数)1つの掃除箇所に必要な枚数の合計+部屋数分の枚数
・バケツ
ベランダ、窓掃除、拭き掃除などで使用します。きれいな水用と汚れた雑巾用に分けて使用すると水を汲みにいく手間を省けます。る最低でも2個は準備しましょう。
5L~7Lほどのサイズものなら、女性や子どもでも楽に運ぶことができます。家族で同時進行して掃除する場合は、3個以上あると安心です。
(個数)2個以上
・ブラシ
キッチン、トイレ、浴室、洗面所、窓掃除など、ブラシを使用する場所は多くあります。
必要な掃除箇所に適した本数があるか、毛先が消耗していないかなどを確認しておきましょう。
(個数)掃除箇所と同等
・掃除用洗剤
大掃除ではさまざまな箇所を掃除するため、多くの種類の洗剤が必要です。
洗剤を用意するときは、汚れの種類に合わせて「併用できる洗剤は併用すること」が大切です。
たとえば、油や泥などの酸性汚れにはアルカリ洗剤を、水垢などのアルカリ性汚れには酸性洗剤を使用するように覚えておくと簡単です。
また、重曹(弱アルカリ性)やセスキ炭酸ソーダ(アルカリ性)、クエン酸(酸性)や酢(強酸性)など環境にやさしい素材を洗剤として使用することもできます。
窓用、鏡用、家具用といった洗剤を用意するのも良いですが、一度使って余らせてしまってはもったいないですよね。
スチームマジックなら、場所を選ばずどこにでも使用できます。
(個数)掃除箇所や汚れの状況による
・掃除機
紙パック方式の場合は替えのパックがあるか、サイクロン式の場合はゴミ掃除をしてあるか確認しましょう。
大掃除で当日は掃除機を長い時間連続使用するため、万全に状態にしておくことが大切です。
また、日々の掃除で掃除機の電源コードが届きにくいと感じているなら、大掃除までに延長ケーブルを用意しておくと当日の掃除機掛けをスムーズに行えます。
(個数)1台
あると便利なアイテム
次に、あると便利なアイテムを見ていきましょう。
・新聞紙
室内の養生代わりにしたり、窓拭き窓掃除に利用活用できます。
余った新聞がなければ無理に用意する必要はありませんが、新聞をとっているなら大掃除に向けて少しストックしておくと良いでしょう。
(個数)朝刊3日分、もしくは夕刊5日分
・歯ブラシ、割り箸
使い古した歯ブラシや余った割り箸は、細かい箇所の掃除で重宝します。
ブラシを新しく購入する必要もなくなるので、大掃除前に歯ブラシを新調したときは古いものをストックしておきましょう。
(個数)数本
・スチームクリーナー
高温高圧の蒸気で汚れを浮かせることができるスチームクリーナーは、大掃除の強い味方です。玄関タイル(外)やベランダでは、染みついた泥や苔汚れもきれいに落とすことができるでしょう。
また、窓掃除の際、目をつむってしまいがちな網戸掃除もスチームクリーナーがあれば短時間で楽に掃除できます。
スチームクリーナーには種類があります。大パワーで長時間連続で使用可能なキャニスター式のスチームクリーナーが便利です。
大掃除(個数)1台
・特定の用途に特化した洗剤
用意する洗剤の種類は少ないに越したことはありませんが、頑固なカビや水垢など、苦労しそうな汚れには洗浄力が強い強力な洗剤を用意するのも得策です。
掃除箇所が限定されないスチームマジックは、おすすめの万能洗剤です。
(個数)掃除箇所や汚れの状況による
年末に大掃除をするのはなぜ
年末大掃除とは、「事始め(ことはじめ)」や「煤払い(すすはらい)」を目的とした神事(=神様をまつる祭りや儀式)です。
日本では、平安時代ころから「年神様を迎える準備」として12月13日もしくは12月14日に年末大掃除が行われてきました。
近年では、時代の変化とともに12月中旬~大晦日(12月31日)にかけて行われるようになり、やがて年末=大掃除の季節と認識されるようになりました。
また、日常的な掃除と違う点としては、大掃除には「煤と一緒に年内の穢れ(けがれ)や厄(やく)を祓う」といった意味も込められています。
12月中旬になると、寺院を中心に煤払いの神事が行われている様子を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
大掃除の最後には、年神様を自宅へ招くための「門松」や「しめ飾り」を飾り付け、身につけ衣類を新調したりします。
このようなことから、年末大掃除は“掃除をすること”以上に“年神様をお迎えする準備”としての意味合いが強いと言えます。
近年では掃除するだけの認識が強く億劫に感じている方も多いであろう大掃除ですが、これを機に、清い気持ちで年末大掃除の準備を行っていきましょう。
海外の年末大掃除事情
ちなみに、年末大掃除は日本だけでなく海外でも行われています。日本の年末大掃除とはどのような違いがあるのでしょうか。
日本に近いアジアの大国、中国では、正月よりも春節(旧暦の正月=2月上旬~中旬)を祝う風習があります。
そのため、大掃除は年末ではなく、「春節」に向けて行われています。
また、日本から遠く離れたヨーロッパでも大掃除が行われています。イギリス、ドイツ、フランスなどの国々では「スプリング・クリーニング」と呼ばれる掃除が春に行われているようです。
日本に比べて冬期は厳しい寒さや積雪があるため、気候の違いなどからも異文化の背景がうかがえるでしょう。
アメリカでは、クリスマスはキリストの誕生を祝う神聖な日。
そのため、アメリカではクリスマス前もしくは春に大掃除を行う風習があるようです。
また、春はキリストの復活を祝う復活祭(イースター)があり、クリスマス同様に神聖な日として祝われています。
日本ではあまり馴染みがない行事ですが、「おめでたい」とされる時期の前に大掃除を行うことは、万国共通と言えるのかもしれません。
大掃除のまとめ
最後に、年末大掃除で重要なポイントをおさらいしましょう!
- 年末大掃除の計画を立てるときは、まず「大掃除にかけられる日数」を決める
- 年末大掃除を長期間で行う場合、「掃除の順番」「後回しにする場所の把握」「モチベーションの維持」を重視する
- 年末大掃除を短期間で行う場合、「ゴミ出しのスケジュール」「必要な道具の準備」「同時進行できる掃除場所の把握」を重視する
- 年末大掃除成功のために大切なのは「普段掃除できない場所の掃除」「“上から下に、奥から手前に”のルール」「家族でイベント化」
- 年末大掃除のスケジュールは掃除箇所と所要時間を考慮して考えよう
- 必要なアイテム、あると便利なアイテムを把握して、当日までに用意しよう
- 年末大掃除は平安時代から続く神事で、年神様を向かえるための準備
年末大掃除を計画通り終わらせることで無事一年を終え、清々しい気持ちで新年を迎えられるでしょう。
年末大掃除では日ごろ手をつけられない場所をきれいにすることが大切です。掃除の時間が限られている方は万能洗剤や便利グッズを活用して時短をしてしまうのも良いでしょう。
この記事を参考に、今年の年末大掃除は過去一番の大成功を目指してください。